続けて読む物語 · 第4話
影の中の爪
断崖絶壁を襲う巨大な落石の危機!トラのタイが影の爪で岩を砕いて仲間を救い、ルルは森の奥で伝説の『星光の木』が枯れかけているという秘密を打ち明けます。

創作童話 · 7–10歳 · 保護者と一緒に読む

場面 01
険しい岩山の断崖絶壁
苗木たちを救い出した探検隊は、星光の木があるという森の中央の険しい岩山へと向かいました。道は次第に細くなり、切り立った崖沿いの危険な砂利道へと変わっていきました。
風が吹きすさび、足元から小さな小石がパラパラと谷底へ落ちていきます。ぶかぶかの長ぐつをはいたルルは、よろめきながら一歩一歩懸命に進みました。
「気をつけて、ルル! ボクの手をしっかり握って!」ココが前足を差し出してルルを支え、ササとジョコミが後ろから見守りました。

場面 02
山鳴りと揺れる大地
崖の中腹の平らな岩場にさしかかった時でした。突然、足元の巨大な岩盤が「ズズズ……ゴゴゴ!」と激しい地響きとともに揺れ始めました!
鳥たちが悲鳴を上げて飛び立ち、岩山の頂上から土煙が滝のように吹き出しました。
「じ、地震?! 地面が割れそうだよ!」ササがひづめで踏ん張りながら叫びました。大雨で地盤が緩んでいた山頂で、恐ろしい異変が起きていたのです。

場面 03
降り注ぐ巨大な落石の恐怖!
ドガーーーン! 雷のような轟音とともに、頭上の崖から家ほどもある巨大な巨岩が砕け散りながら落下してきました!
その中でもひときわ巨大で尖った岩が、ルルと仲間たちの立っている崖道へまっすぐに落ちてきたのです。
逃げ場はありませんでした。ココは目をぎゅっと閉じ、自分の体でルルを覆い隠すように抱きしめました。「ルル、伏せて!」

場面 04
暗闇から走る紫の閃光
巨大な岩がココを押し潰すまさにその瞬間でした。崖の深い闇の中から、稲妻よりも素早いトラの影が空へと躍り出ました!
「はぁぁっ! 影一閃!」研ぎ澄まされた気迫の叫びが岩壁に木霊しました。
それはトラのタイでした! 青緑のマフラーを巻いたタイは、目にも留まらぬ速さで空中で回転し、両手の影の爪をきらめかせました。

場面 05
岩を砂塵に変えた影の爪
シュバババッ! 紫の残光を残してタイの爪が空を裂くと、落下していた巨大な岩は空中で幾千もの破片に切り刻まれました!
家ほどもあった巨岩は、一瞬にして小石とやわらかな砂ぼこりとなって仲間たちの頭上へ静かに降り注ぎました。
タイは音もなく片手で岩場に着地しました。舞い散る砂煙の中、タイの琥珀色の瞳が静かに光っていました。「皆、怪我はないか?」

場面 06
影から見守っていた守護者
「タイ! 助けてくれたんだね!」ココとササが歓声をあげました。ルルは大きな長ぐつの中から目を丸くして、タイを英雄のように見上げました。
タイはふっと微笑み、ルルの頭をやさしく撫でました。「実は……この小さな旅人が森をさまよい始めた時から、影の中からずっと見守っていたのだ。放っておけなくてな」
無口だけれど誰よりも温かいタイの優しさに、みんなの胸が熱くなりました。ミミから木いちごを受け取ったタイの耳が、照れくさそうにピクピクと動きました。

場面 07
ルルが抱えてきた秘密の地図
崖の洞窟に集まった仲間たちの前で、ルルは胸元から大切にしていた古びた革の地図を広げました。
地図の中央には、青い星の光を放つ巨大な大樹と、森全体へ血管のように伸びる不思議な水脈が描かれていました。
「これが原始の森の中心にある『星光の木』です」ルルの瞳に大粒の涙が浮かびました。「いま、あの木の葉っぱが全部黒く枯れ落ちています。木が息絶えたら、森も庭も……海の生き物たちもみんな枯れてしまうんです!」

場面 08
六人の固い誓い
タイが地図の中心を指差しました。「星光の木があるのは『霧の谷』だ。その入口は何百年も前の巨大な鉄岩の門で閉ざされており、生半可な力では開かない」
ココがパチンコを力強く握りしめました。「門が塞がっているなら、ぶち破ってでも入るよ! 星光の木を救わなきゃ、ルルの故郷も救えない!」
ササのスピード、ジョコミの氷、タイの爪、そしてココとミミの温かい勇気。六人に増えた探検隊は、霧の谷を目指して前進を開始しました。

場面 09
いっしょに歩く道
六人の友だちは歩幅をそろえ、次の道へゆっくり歩き出しました。
物語の終わりに