続けて読む物語 · 第5話
ロボットの長いひと休み
ベンチへ行く曲がり角で、花のカートが止まりました。道を広げる前に、ココとミミ、小さなストームレンジャーは何が引っかかったのかをゆっくり見ます。

創作童話 · 7–10歳 · 保護者と一緒に読む

場面 01
曲がり角で止まった花のカート
次の朝、小さなストームレンジャーの作業モデルは、花のカートを押してベンチの曲がり角へ来ました。カートには水やり用の小さな鉢が二つと、やわらかな布が乗っています。
前の車輪が低い石のそばでぴたりと止まりました。ストームレンジャーの目が光ります。「計算完了! 道を広げればいいです!」
ココはベンチの後ろの曲がった木と、その日陰を見ました。「その前に、何が止まったのか見よう」ミミもカートのそばに静かに座りました。
場面 02
早く直す? 先に見る?
ストームレンジャーは手で道の幅を測り始めました。「低い石を動かして、葉を少し片づけて—」ココはそっとカートの取っ手を持ちました。
「ベンチへ行く道はこのままがいいな。木の日陰も」ミミが言いました。「カートはここまでは、ちゃんと来られたよ」
三人は鉢を近くの広くて平らな場所に並べました。まずは空のカートだけで、同じ曲がり角を通ってみることにしました。

場面 03
カートより先に出たフック
空のカートを手のひら一つ分だけ後ろへ戻し、ゆっくり曲げると、車輪は石の横を上手に通りました。でもカートの横の小さな金属フックが、低い木の杭にとんと触れました。
「カートが広すぎるんじゃなかったんだね」とココ。ストームレンジャーはフックを見て首をかしげました。フックは荷物を結ぶときに使い、使わないときは横の溝へ折りたたむものでした。
「急いでいて、フックをたたみませんでした」ストームレンジャーが言いました。ミミはまだ触らずに聞きました。「たためば、本当にカートは通れるかな?」
場面 04
答えを一度に言わない
ストームレンジャーはすぐフックをたたもうとして、手を止めました。「『計算完了』と言う前に、もう一つ確かめます」
ココは車輪が通る場所を指しました。ミミはベンチ側を見ました。誰かが休んでいるときにも、カートが近づきすぎないか知りたかったのです。
三人はフックを溝に入れ、カートをもう一度後ろへ戻しました。今度は車輪と杭とベンチの間に、目で確かめられる小さなすき間がありました。
場面 05
少しずつ曲がる
ココは前の車輪を見ました。ミミはベンチ側から手を上げて、「ここまで」と知らせました。ストームレンジャーは一歩ずつ取っ手を回しました。
カートは石を押さず、杭にも触れませんでした。曲がった木の日陰も、そのままです。でもカートはまだ空でした。
「鉢を乗せても同じか、見なければなりません」ストームレンジャーが言いました。声はもう速くありません。ココは土が揺れないように、布をまた広げました。

場面 06
長いひと休みのあとの小さな曲がり角
二つの鉢をカートに戻し、布をかけました。ミミは横を歩き、鉢が傾かないか見ました。ストームレンジャーは先にフックが溝に入っているか確かめました。
「準備できた?」ストームレンジャーが聞きました。ココがうなずき、ミミはベンチ側の道を空けました。三人でとても小さな曲がり角を回りました。
今度はカートが静かに通りました。ストームレンジャーはベンチに着くまで何も言いません。そこでようやく目を丸くして言いました。「通過を確認」
場面 07
カートに残った空いた場所
ベンチのそばの広い場所に鉢を下ろすと、カートには布と空いた場所だけが残りました。ココはその場所を見て笑いました。「道は広げなかったのに、カートの中は広くなったね」
ストームレンジャーはカートの経路カードに三つの小さな絵を描きました。曲がり角、たたんだフック、ゆっくり回る車輪。字は書かず、三つの絵を並べただけです。
ミミはカードを見て言いました。「次は道より先に、カートを見てね」ストームレンジャーはカードを戻し、空のカートを少し後ろへ動かしました。

場面 08
止まることも道になる
帰り道でもストームレンジャーは、曲がり角の前で少し止まりました。たたんだフック、石の横を通る車輪の場所、それからココとミミを見ました。
「また長いひと休み?」とココ。ストームレンジャーはうなずきました。「とても短いひと休みです。でも、必要なだけ長いです」
三人はカートをゆっくり曲げ、門の方へ行きました。ベンチの日陰も低い石も、そのまま残っています。次にこの道を通る人も、曲がり角を見てから始められる道になりました。
物語の終わりに