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続けて読む物語 · 第3話

眠った鈴

門の鈴はちゃんと鳴るのに、お客さんはなぜ使わなかったのでしょう。壊れたところを探すココとミミに、思いがけない質問が届きます。

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半開きの庭の門でココが小さな鈴とひもを調べ、じょうろを持ったミミが首をかしげている

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続けて読む物語

眠った鈴

門の鈴はちゃんと鳴るのに、お客さんはなぜ使わなかったのでしょう。壊れたところを探すココとミミに、思いがけない質問が届きます。

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半開きの庭の門でココが小さな鈴とひもを調べ、じょうろを持ったミミが首をかしげている

創作童話 · 7–10歳 · 保護者と一緒に読む

半開きの庭の門でココが小さな鈴とひもを調べ、じょうろを持ったミミが首をかしげている

場面 01

静かな門番

ベンチを片づけた次の日、ココは門のそばを掃きながら、小さな鈴を見上げました。木の柱に下がった、真ちゅうの鈴です。友だちはときどきひもを引いて、来たことを知らせていました。

でも、葉っぱの向こうのお客さんが鳴らす音は、聞いたことがありません。ココはほうきを立てかけ、ひもを調べました。「雨にぬれて壊れたのかな?」

じょうろを持ったミミが、門の内側から首をかしげました。鈴の下には、薄い茶色のひもがじっと下がっています。今日も門は半分開いていました。

場面 02

ひもを替えてみようか?

ココは、ひもが柱に引っかかっていないか見ました。からまったところも、切れたところもありません。先は、ココが前足を伸ばせば届く高さでした。

「高すぎて、つかめないのかな?」ミミはポーチから予備のひもを出しました。「もっと長くしようか?」ココは首をかしげました。お客さんに、ひものことを聞いたことはありません。

「替える前に、音を聞いてみよう」ミミはじょうろを門の内側に置き、ココの隣に出てきました。ココは、そっとひもをつかみました。

門の外でココが鈴のひもを一度引いて試し、隣のミミが落ち着いて鈴を見ている

場面 03

朝寝坊ではなかったね

チリン。一度引くと、澄んだ小さな音が広がりました。ココはひもを離し、鈴の中をのぞきました。ちゃんと動いています。ミミもうなずきました。

「毎朝、寝坊してたわけじゃないんだね」とココ。ミミが笑いました。「鈴のお布団を探しに行くところだったよ」鈴にぴったりの小さなお布団を思って、二人はくすくす笑いました。

笑い声が静まると、また葉っぱのこすれる音が聞こえました。ココはそれ以上、ひもを引きませんでした。直そうと思っていたのに、壊れたところが見つかりません。

場面 04

鳴らしたら、必ず?

そのとき、門の外の葉っぱの向こうから声がしました。「一つ聞いてもいい?」昨日、ベンチの日陰を残してほしいと言ったお客さんでした。

「うん」とココ。「その鈴を鳴らしたら、必ず庭に入らなきゃいけないの?」ココは、ひもへ伸ばしかけた前足を下ろしました。ミミの耳も声のほうを向きました。

「ほかの友だちは、鳴らしてから入るでしょう。ベンチにだけ行きたい日もあるから」お客さんは少し言葉を止めました。「入らないのに鳴らしていいのか、わからなかったんだ」

場面 05

同じチリン、違う考え

ココは鈴と半開きの門を交互に見ました。「わたしは『こんにちは、来たよ』って意味だと思ってた」「わたしは『今から入るよ』だと思ってた」と、葉っぱの向こうから返事がありました。

ミミは低い石のそばにしゃがみました。「わたしは、ひもを長くしようとしてた。考えていた意味が違ったんだね」替えようと出したひもを、ポーチに戻しました。

「あいさつしたいときは、一度鳴らしてね」とココ。「門の外であいさつして、そのまま行ってもいいよ」「じゃあ、今日はそうしてみたい」今度は、お客さんから言いました。

鈴のひもを離したココが門の外のわき道へ一歩よけ、内側のミミがじょうろを置いて前足を上げてあいさつしている

場面 06

門の外からも、こんにちは

「先にやってみるね」ココは門の外から、ひもを一度そっと引きました。チリン。ミミは内側のじょうろを持ちかけて、また置き、前足を上げました。「こんにちは、ココ!」

ココは中へ入らず、わき道のほうへ一歩よけました。「こんにちは。外で道を掃くね」ミミは笑って、またじょうろを持ちました。

ココがほうきを取ると、ミミが言いました。「水やりに夢中で聞こえなかったら、あとで会ったときにあいさつしよう」ほうきにはさまっていた葉が、ぽとり。「葉っぱも、あいさつして先に行っちゃったね」とココが笑いました。

場面 07

中に入らなかった、あいさつ

ココが落ち葉を集め、ミミが乾いた土に水をやっていたときです。チリン。二人は手を止め、門のほうを見ました。聞き覚えのある小さな声が続きました。

「こんにちは。今日はベンチで休むね」ココはほうきを横へ立てかけました。「こんにちは。日陰の端は、今日も空いているよ」ミミもじょうろを置いて、あいさつしました。

敷居をこえる足音はしませんでした。ココはお客さんを中へ呼ばず、最後の落ち葉をかごに入れました。門の外からのあいさつも、ちゃんと届いていました。

門のそばのテーブルに葉っぱとベンチ、曲がる道の絵があり、鉛筆を持つココの隣でミミが道のほうを見ている

場面 08

葉っぱが来たところ

仕事が終わると、ココは門のそばのテーブルに葉っぱの絵を広げました。ミミが隣に立ちました。「ベンチまでの道も描いておこうか?」ココは小さなベンチと、曲がる道を描き始めました。

しばらくして、ベンチで休んで戻ったお客さんの声が、葉っぱの向こうからしました。「その葉っぱは、わたしがかけ金に置いたんだ。ベンチの後ろの曲がった木の下で拾ったの」ココの鉛筆が止まりました。「ああ、そこから来たんだ!」

ココはベンチの後ろに、曲がった木を小さく描きました。その先の道は、まだ空白です。ミミが紙を押さえると、ココの鉛筆がまた動き始めました。鈴は静かでした。今日のあいさつは、もう届いていました。

物語の終わりに

本を閉じて少し休んでも大丈夫。心に残った場面を一緒に話してみてください。

ゲームで仲間たちに会う