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一話で楽しむ物語

タイの終わらないかくれんぼ

ココがタイを見つけるたびに、かくれんぼの場所が広がります。二回も見つけたのに、まだ同じ回?探す役になったタイは、別の楽しさに出会います。

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青緑のマフラーをしたトラのタイが、平らな芝生で植木鉢と木のベンチのほうを指し、ココが聞いている

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一話で楽しむ物語

タイの終わらないかくれんぼ

ココがタイを見つけるたびに、かくれんぼの場所が広がります。二回も見つけたのに、まだ同じ回?探す役になったタイは、別の楽しさに出会います。

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青緑のマフラーをしたトラのタイが、平らな芝生で植木鉢と木のベンチのほうを指し、ココが聞いている

創作童話 · 7–10歳 · 保護者と一緒に読む

青緑のマフラーをしたトラのタイが、平らな芝生で植木鉢と木のベンチのほうを指し、ココが聞いている

場面 01

隠れる場所なら知ってるよ!

心の庭のトラ、タイは、新しい遊びを考えるのが得意です。大きな植木鉢を見たら、その後ろを。低いベンチを見たら、その横を。丸い耳がぴんと立つと、楽しい思いつきが出てきます。

今日は花の世話を終えたココと、かくれんぼをすることにしました。芝生の入り口の両側には丸い石が一つずつ、向こうの端には木のベンチがあります。さらに後ろには、太い木の幹も見えました。

「最初は植木鉢のあたりでやろう!」タイが言いました。花壇の中や門の外には行かない約束です。ココが石の横で十まで数える間に、タイは青緑のマフラーを整えて、鉢の後ろへ行きました。

場面 02

見つけたのに、まだ?

ココは植木鉢の横から出た、白いしっぽの先を見つけました。「タイ、見つけた!」タイがひょいと出てきました。「もう?今、隠れたばかりなのに!」

次はココが隠れるつもりでした。ところがタイはベンチを指しました。「待って、ベンチの後ろも入れよう。そのほうが楽しいよ!」返事を待たず、また隠れてしまいました。

ココは隠れに行くのをやめ、ベンチへ向かいました。タイは二つ目の場所が気に入りました。しっぽも横にきちんと寄せました。今度こそ、長く楽しめそうです。

ココが木のベンチの横でタイを見つけ、タイのしましまのしっぽの白い先がベンチの横に見えている

場面 03

二回見つけた鬼

ココがベンチの横へ回ると、しましまのしっぽの白い先が、また少し見えました。「今度も見つけた!」タイはしっぽを振り返りました。「きみ、ココの味方なの?」

タイは木の幹のほうを見ました。あそこなら、しっぽまですっぽり隠せそうです。「じゃあ、あそこまで!もう一回だけ探して」今度も、ココの返事を待たずに移動しました。

ココは植木鉢とベンチを順番に見ました。「鉢で一回、ベンチで一回。二回見つけたのに、まだ鬼はこっち?」隠れる場所は増えたのに、一回も終わっていませんでした。

場面 04

とても上手に隠れたのに

ココはタイに聞こえる声で言いました。「ちょっと休もう。探す場所がどんどん変わると疲れるよ。隠れる番もやりたかった」そして、タイからも見えるベンチに座りました。

タイは木の幹の後ろで、しっぽをぎゅっと寄せました。今度は何も見えていないはずです。一、二……。待っても、「見つけた!」の声はしません。

幹の横からのぞくと、ココはまだ休んでいました。今までで一番いい隠れ場所なのに、楽しさは増えません。タイは、鉢のまわりを探すココの姿と、二人で笑った声を思い出しました。

場面 05

探すほうの話

タイはベンチの前へ出てきました。「上手に隠れたら、長く楽しめると思った。でも、待つだけだと退屈だね」ココは座る場所を少し空けました。

タイはマフラーの端をいじりました。「隠れる場所を選ぶのは得意だけど、鬼になってココを見つけられなかったら、って思って。それで、場所をどんどん増やしたんだ」ココも言いました。「どこまで探せばいいか、わからなかったよ」

二人は少しの間、芝生を見ました。タイが聞きました。「探す場所をいっしょに決めて、今度はこっちが鬼をやってみようか?」ココが立ち上がりました。「うん。今度は隠れたいな」

タイとココが芝生の入り口の丸い石二つの近くでかがみ、ベンチの前の遊ぶ範囲をいっしょに見ている

場面 06

二人とも知っている遊び場

二人は入り口の丸い石の近くで、かがみました。「この二つの石の間から、あのベンチの前の平らな芝生まで」ココが指しました。タイは、その中にある大きな鉢を確かめました。「この後ろにも隠れられるね」

「十まで数えてから探す。見つけたら、鬼を交代」タイが言いました。「ほかの場所を入れたくなったら?」ココが聞くと、タイは答えました。「今の回を終えて、次の回の前にいっしょに決めよう」

休みたくなったら、言って止めることも決めました。ベンチの後ろと太い木の幹は、今回は遊び場の外。二人で確かめてから、タイは石の横に立ち、前足で目を覆いました。「一、二……」

場面 07

植木鉢は返事をしません

「十!」タイは大きな植木鉢から見てみました。緑色が少し見えます。ココのフードです!「見つけた!」でも、近づくと、鉢の横に垂れた葉でした。

タイは笑いました。「葉っぱに鬼を頼むところだった」すると、芝生のほうから小さな笑い声。鉢の反対側にココがいました。タイは回りこんでココを見て、はっきり言いました。「ココ、見つけた!」

「うん、見つかった。次はこっちが鬼!」ココが出てきました。タイは、隠れる場所を見つける目が、探すときにも役立ったことに気づきました。最初は外れでも、次の場所でココを見つけられたのでした。

決めた遊び場の中の大きな植木鉢の横でココがタイを見つけ、隠れ場所から出たタイと笑い合っている

場面 08

終わったから、もう一回

ココが十まで数える間に、タイは大きな鉢の後ろに隠れました。しばらくすると、ココが近づきました。「白いしっぽの先、見つけた!」タイはしっぽを見て笑い、一歩出てきました。今度は別の場所へ逃げません。

「見つかった。鬼の番だね!」タイは石の横へ行きました。「今度はベンチの横も入れようか?」ココは芝生を見ました。「もう一回、今の場所で遊びたいな。そのあとで、いっしょに見てみようよ」タイはうなずきました。

タイは前足で目を覆いました。「一、二、三……」今度は、ココが隠れる場所を選ぶ音がします。しっぽの先がゆらり。一回が終わって、また新しい一回が始まっていました。

物語の終わりに

本を閉じて少し休んでも大丈夫。心に残った場面を一緒に話してみてください。

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