
創作童話 · 7–10歳 · 保護者と一緒に読む

場面 01
隠れる場所なら知ってるよ!
心の庭のトラ、タイは、新しい遊びを考えるのが得意です。大きな植木鉢を見たら、その後ろを。低いベンチを見たら、その横を。丸い耳がぴんと立つと、楽しい思いつきが出てきます。
今日は花の世話を終えたココと、かくれんぼをすることにしました。芝生の入り口の両側には丸い石が一つずつ、向こうの端には木のベンチがあります。さらに後ろには、太い木の幹も見えました。
「最初は植木鉢のあたりでやろう!」タイが言いました。花壇の中や門の外には行かない約束です。ココが石の横で十まで数える間に、タイは青緑のマフラーを整えて、鉢の後ろへ行きました。
場面 02
見つけたのに、まだ?
ココは植木鉢の横から出た、白いしっぽの先を見つけました。「タイ、見つけた!」タイがひょいと出てきました。「もう?今、隠れたばかりなのに!」
次はココが隠れるつもりでした。ところがタイはベンチを指しました。「待って、ベンチの後ろも入れよう。そのほうが楽しいよ!」返事を待たず、また隠れてしまいました。
ココは隠れに行くのをやめ、ベンチへ向かいました。タイは二つ目の場所が気に入りました。しっぽも横にきちんと寄せました。今度こそ、長く楽しめそうです。

場面 03
二回見つけた鬼
ココがベンチの横へ回ると、しましまのしっぽの白い先が、また少し見えました。「今度も見つけた!」タイはしっぽを振り返りました。「きみ、ココの味方なの?」
タイは木の幹のほうを見ました。あそこなら、しっぽまですっぽり隠せそうです。「じゃあ、あそこまで!もう一回だけ探して」今度も、ココの返事を待たずに移動しました。
ココは植木鉢とベンチを順番に見ました。「鉢で一回、ベンチで一回。二回見つけたのに、まだ鬼はこっち?」隠れる場所は増えたのに、一回も終わっていませんでした。
場面 04
とても上手に隠れたのに
ココはタイに聞こえる声で言いました。「ちょっと休もう。探す場所がどんどん変わると疲れるよ。隠れる番もやりたかった」そして、タイからも見えるベンチに座りました。
タイは木の幹の後ろで、しっぽをぎゅっと寄せました。今度は何も見えていないはずです。一、二……。待っても、「見つけた!」の声はしません。
幹の横からのぞくと、ココはまだ休んでいました。今までで一番いい隠れ場所なのに、楽しさは増えません。タイは、鉢のまわりを探すココの姿と、二人で笑った声を思い出しました。
場面 05
探すほうの話
タイはベンチの前へ出てきました。「上手に隠れたら、長く楽しめると思った。でも、待つだけだと退屈だね」ココは座る場所を少し空けました。
タイはマフラーの端をいじりました。「隠れる場所を選ぶのは得意だけど、鬼になってココを見つけられなかったら、って思って。それで、場所をどんどん増やしたんだ」ココも言いました。「どこまで探せばいいか、わからなかったよ」
二人は少しの間、芝生を見ました。タイが聞きました。「探す場所をいっしょに決めて、今度はこっちが鬼をやってみようか?」ココが立ち上がりました。「うん。今度は隠れたいな」

場面 06
二人とも知っている遊び場
二人は入り口の丸い石の近くで、かがみました。「この二つの石の間から、あのベンチの前の平らな芝生まで」ココが指しました。タイは、その中にある大きな鉢を確かめました。「この後ろにも隠れられるね」
「十まで数えてから探す。見つけたら、鬼を交代」タイが言いました。「ほかの場所を入れたくなったら?」ココが聞くと、タイは答えました。「今の回を終えて、次の回の前にいっしょに決めよう」
休みたくなったら、言って止めることも決めました。ベンチの後ろと太い木の幹は、今回は遊び場の外。二人で確かめてから、タイは石の横に立ち、前足で目を覆いました。「一、二……」
場面 07
植木鉢は返事をしません
「十!」タイは大きな植木鉢から見てみました。緑色が少し見えます。ココのフードです!「見つけた!」でも、近づくと、鉢の横に垂れた葉でした。
タイは笑いました。「葉っぱに鬼を頼むところだった」すると、芝生のほうから小さな笑い声。鉢の反対側にココがいました。タイは回りこんでココを見て、はっきり言いました。「ココ、見つけた!」
「うん、見つかった。次はこっちが鬼!」ココが出てきました。タイは、隠れる場所を見つける目が、探すときにも役立ったことに気づきました。最初は外れでも、次の場所でココを見つけられたのでした。

場面 08
終わったから、もう一回
ココが十まで数える間に、タイは大きな鉢の後ろに隠れました。しばらくすると、ココが近づきました。「白いしっぽの先、見つけた!」タイはしっぽを見て笑い、一歩出てきました。今度は別の場所へ逃げません。
「見つかった。鬼の番だね!」タイは石の横へ行きました。「今度はベンチの横も入れようか?」ココは芝生を見ました。「もう一回、今の場所で遊びたいな。そのあとで、いっしょに見てみようよ」タイはうなずきました。
タイは前足で目を覆いました。「一、二、三……」今度は、ココが隠れる場所を選ぶ音がします。しっぽの先がゆらり。一回が終わって、また新しい一回が始まっていました。
物語の終わりに